イギリスのEU離脱が獣医業界へ与える影響は?

イギリスのEU離脱という国民投票の結果がでて一週間以上経ちました。

かなりの接戦で出た結果。。。『EU離脱』対する思いは、イギリス国内でも地域や世代、各個人によってかなりの温度差があります。また、国民投票後離脱派のボロが出てきたり、首相争いのドラマが繰り広げられたり、選挙やり直しの声があがったり、などなど。。。国内はまだまだ色んな感情や思考が交錯しあっている状態です。

私も移民の一人。今回の国民投票の結果は、正直複雑で残念な気持ちになりました。またイギリス経済への打撃などを考えると、不安な面もたくさんあります。でも、決まったものは仕方ない。離脱という結果を受け止めて腹を括って進んでいくしかありません!

さて、イギリスがEU離脱となると獣医師業界も何らかの影響を受けることになると思われます。

イギリスではEU出身の獣医師がたくさん働いています。

王立獣医師協会(Royal Collage of Veterinary Surgeon)の報告書によると、2014年に新規でイギリスの獣医師免許交付を申請した獣医師1639人中701人がEU諸国の大学出身でした。

出身大学の詳しい国別内訳は以下の通り

  • イギリス:795人
  • EU:701人
  • オーストラリア:83人
  • アメリカ:18人
  • ニュージーランド:17人
  • 南アフリカ:15人
  • カナダ:2人
  • その他:8人

(参考資料:RCVS Facts 2014

今現在、EU圏内の獣医学部を卒業した者はイギリスの獣医学部を卒業した者と同等とみなされ、卒業後直ぐにイギリスの獣医師免許を申請し、イギリスで働くことが可能です。

実際に、夜間診療、一般診療、二時診療の第一線で多くのEU出身の獣医師が働いています。イギリスの全ての動物病院は病院の規模や立地条件に関わらず、患者に24時間体制のケアを施すことを義務付けられています。その上、医療の進歩や動物福祉の向上により、獣医師に求められる仕事量・スキル・役割は年々増加傾向にあります。動物たちに最善の治療・ケアを施すために、今やEU出身の獣医師は欠かせない人材です。

ただ、EU圏内各大学の教育水準や英語力にはかなりばらつきがあり、どのようにイギリスで働く獣医師のレベルを保っていくかということが話題に上ることも多く、EU離脱後、イギリス獣医師免許申請に関する法律に変化が起こる可能性は大いに考えられます。

今現在イギリスで働いているEU大学出身の獣医師への影響は最小限に抑えられるだろうと予想されていますが、これからの世代は何らかの影響を受けるかもしれません。

また、イギリスの獣医療、動物福祉、家畜衛生、家畜防疫、公衆衛生、食品安全、食品表示、動物検疫を始めとする多くの獣医・動物に関する法案はEU法に基づき設定されています。離脱をすることにより、様々なレベルでの変化・変更が予想されます。

ただ、具体的にどうなるのか。。。というと

「今はわからない」というのが実際のところです。

全ては離脱交渉次第なのですが、今はまだ国が混乱中。国民も政治家もまとまっておらず、国の方向性をしっかりと説明するリーダーも不在。。。

具体的な展望が見えてくるのは、首相交代や、イギリスの正式なEU離脱宣言が行われてからだと思われます。

この先何がどうなるか全く解りませんが、変化へ臨機応変に対応できるようしっかりと情報取集し準備していきたいと思います。




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ABOUTこの記事をかいた人

香川県高松市出身 地元香川の高校卒業後、ニュージーランドでの語学留学・大学進学準備コースを経てオーストラリア・メルボルン大学獣医学部に進学。現在イギリスで臨床獣医師として働いています。