イギリス・動物愛護へ新たな法改正

少し時間が経ってしまいましたが、10月1日、イギリスの動物福祉に関する法律に改正がありました。(The Animal Welfare (Licensing of Activities Involving Animals) (England) Regulations 2018)

以前の記事で紹介したルーシー法(ペットショップなど第三者販売業者による子犬・子猫の販売禁止)の施行はまだなのですが、今回変更になった項目を何点か紹介します。

ついに!!イギリスでペットショップでの子犬・子猫の販売が禁止に

15th 9月 2018

主な変更点・新規定

ライセンスの統一

動物を扱う業種(ペットショップ、ブリーダー、ペット宿泊施設、乗馬施設)が一つのライセンスで管理されるように。

今までは、業種によってはいくつかのライセンスを取得する必要があったり、法律が古く現代社会に活かしにくかったり、例外や条件などが複雑難解で、取り締まることが難しいという問題がありました。

今後は一つのライセンスの中で全ての業種に共通した部分と、業種ごとに細かく決められた部分を分け、統一できるものは統一し、法律をもっとシンプルにそして取り締まりやすいものにしようという試みです。

子犬は母犬と一緒に

母犬がお産中に亡くなってしまったなど、医学的な理由がない限り、ブリーダーは購入者に母犬と子犬を一緒に見せる事が義務となりました。

引き渡しは対面&ブリーダー宅で

子犬の売買は飼い主になる購入者がブリーダーの元へ向かい、動物の生活環境や状態を確認し、対面式で行われなければならない。

主にオンラインなどで子犬を見る前に購入手続きをしてしまったり、駅のホームや駐車場での手渡しを防ぐためです。

生後8週以下の販売禁止

生後8週以下の犬・猫・ウサギ・フェレットの販売禁止。

生後8週までは母親の存在が大変重要です。この時期しっかり母親から愛情を受け、社会性を学ぶことは今後の心身の健康にとても大きな影響を与えます。

 子犬と母犬が一緒にいるところを見学し、子犬たちが育ったブリーダーの家で引き渡し、そして引き渡しは生後8週以降、というのはきちんとしたブリーダーなら既に実行している事、当たり前の事です。ですが今までは法律で規制されておらず、悪質なブリーダーやパピーファームでは守られていない事が多かった問題で、今回ようやく具体的に義務化されました。

ブリーダーライセンス制度の強化

年間3回以上犬の出産を行う場合、ブリーダーライセンスを取得しなければならない。(これまでは年間5回以上)

また、プロのブリーダーでなく、非営利・趣味のブリーダーや一般の飼い主でも、年間3回以上犬の出産を行なう場合はブリーダーライセンスが必要となります。

5段階評価システムの導入

ブリーダーやペットショップなどを『動物の福祉スタンダード・マネジメント・コンプライアンス・リスク管理』などに基づき5段階評価できるシステムが導入されます。

この評価システムはイギリス環境食糧農村地域省(DEFRA)主導で監査され、評価によりライセンス有効期限が1年、2年、3年と変動したり、視察の頻度が変動します。

規定を守り評価の高いビジネスは視察の頻度や免許更新の頻度が少なくなり、購入者・消費者は質のいいブリーダー・施設・ビジネスを見つけやすくなり、地域の行政は粗悪なブリーダー・施設・ビジネスを見つけやすくなり、効率よく摘発や指導ができるという利点があります。

ただ、どのように評価が一般公開されるのかなど、評価システムの詳しい概要はまだ発表されていないので、今後の動きに注目です。

今後の課題

新しい法改正が行われる度に思う事。。。いくら法律が改善されても、その法律がうまく日常生活に浸透し、機能しなければせっかくの法改正も意味持たないという事。

例えば犬のマイクロチップが法的義務になってからもう数年経ちますが、マイクロチップが義務になったことを知らない飼い主さん、マイクロチップをしていない犬、マイクロチップを装着せずに売買するブリーダー・購入者、、、まだまだ結構な数いるんです。

今後一番の課題は、法改正が世間や現場に認知、理解され浸透する事ではないでしょうか。

現場スタッフのトレーニング、世間一般への啓蒙活動などを通し、しっかりとした理解と仕組みを作っていく事が重要になってきます。

また、ルーシー法のいち早い施行も課題ですね。

動物を取り巻く環境の改善は本当に小さなことの積み重ね。

まだまだ解決・改善が必要な問題は山積みですが、常に自分には何が出来るだろうと考え、行動していきたいと思う今日この頃です。

 

参考ページ


▶︎ The Animal Welfare (Licensing of Activities involving Animals) (England) Regulations 2018
▶︎ Animal welfare boosted by new law coming into force

 




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ABOUTこの記事をかいた人

香川県高松市出身 地元香川の高校卒業後、ニュージーランドでの語学留学・大学進学準備コースを経てオーストラリア・メルボルン大学獣医学部に進学。現在イギリスで臨床獣医師として働いています。